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​若月ドクター疾患名解説

​・・・かもしれないと言われたら、事前に調べてあわてない

若月クリニック 泌尿器科疾患名解説 イメージ画像

「・・・じゃない?」「・・・の疑いがあるかもしれません。」そんな風に何気なく言われたら、とても気になるものですね。いったいそれはどんな病気なの?どんな症状?どんな治療をするの?・・・
若月ドクターがわかりやすく丁寧に解説しましょう。

腎臓の疾患

結石(腎、尿管、膀胱)

◆尿路結石(腎臓、尿管)

腎臓でできた結石が尿管に詰まると、腎臓が腫れて激しい痛みをおこします。 
たいていは5mm以下の結石で、自然に尿とともに体外へ排出されますので、治療は鎮痛剤で痛みを抑えるだけで十分です。1cm以上の大きな結石は、体外衝撃波などで粉砕して体外へ排出することになります。

◆腎臓結石はどうしてできるのでしょうか? 
尿の中には体の中でいらなくなったカルシウムや尿酸などの塩分が含まれていますが、これが結晶となって大きく硬くなったものが結石です。尿管にあるものが尿管結石、腎臓にあるものが腎結石、膀胱にあるものが膀胱結石と呼ばれています。血液検査や結石の成分から結石の原因が分かって予防や投薬治療が可能な場合もあります。
尿路結石の症状は結石が尿管などにつまって尿の流れがわるくなると、腎臓や尿管が腫れて疝痛といわれる激しい痛みがおこります。粘膜が結石で傷つけられて血尿がでることもあります。 
治療法は小さな結石(5mm以下)ではほとんど自然に体外に尿に混ざって排出されます。尿酸や特殊な結石では薬で溶けることもあります。結石が大きくて薬で溶けないような場合には、昔はお腹を切って結石を取り出していました。 
しかし現在では内視鏡や、体外衝撃波などが普及し、おなかを切る手術をしないで治療ができるようになりました。 

◆診断 
超音波で腎臓の結石や、腎杯や尿管(尿の流れる管)の拡張を確認します。 
尿検査では通常血尿が見られます。 
必要に応じてレントゲンで結石を確認します。 

◆外来での治療  
自然に出る大きさの場合には、投薬で痛みをコントロールしながら経過を見ます。
痛みの強い場合には注射による痛み止めが必要ですが、強い痛みが続くことはあまりなく、痛みが治まるとしばらくは鈍痛だけになります。  
2-3か月以内に排石しますが、出ない場合には体外衝撃波などの治療が必要になります。 

◆体外衝撃波結石破砕術 
衝撃波とは水中で高電圧の電気放電を起こしたときに生じるもので、これを1つの焦点に集めると結石を破壊するエネルギーとなります。ところが衝撃波は水や内臓などには吸収されずに素通りするという特徴があります。
この原理を応用した装置が体外衝撃波結石破砕装置です。  
(この治療が必要な場合には専門治療機関に紹介いたします。) 

◆治療の実際 
砕石装置に仰向けか、うつ伏せに寝ていただき(石の位置により変わります)、レントゲンによって結石に衝撃波の焦点をあわせます。 
後は結石に衝撃波をあてて(2000ー3000発、1時間程度)結石を細かく砕いて行くだけです。 
治療に際しては強いマッサージをしているような衝撃がありますので鎮痛剤の注射をして行いますが、麻酔は不要です。 

◆入院期間は 
1cm以下の尿管結石では入院は不要ですが、腎結石や大きな結石では破砕片がつまって痛みが生じたり、熱が出ることがありますので最低3日は入院が必要です。 
砕けた結石は尿に混ざって1ー2週間程度で排出されます。

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◆血尿

血尿とは尿に血が混ざっていることです。 
尿を目で見て分かる場合と、尿の中の細胞を直接顕微鏡で見てはじめて分かる場合とがあります。
尿はまず腎臓で造られ、尿管という管を通って膀胱に流れてきます。腎臓は左右に2個あって、血液を濾過して老廃物が水に混ざった尿を造っています。尿を貯めて尿意を感じるところが膀胱で、膀胱から体の外にでる管が尿道です。ですから血尿の出る場所は腎臓、尿管、膀胱、尿道ということになります。男性では前立腺というものが膀胱の出口の尿道の周囲にありますので、前立腺も血尿の原因になります。 
血尿には病気のある場合と、病気のない場合があります。 
東京都予防医学協会の検診者の資料によると尿潜血反応が陽性の人は、男性では4、93% 、女性では13、88%となっていました。このように高頻度に見られることから、特に女性では、多くが病気のない血尿であると考えられています。 
尿路の出血は大きく分けて尿路の粘膜上皮からの出血と、腎臓の糸球体と言う場所からの出血とに分けることができます。 
血液を濾過する膜のある場所を糸球体と呼び、一つの腎臓に約100万個あります。この場所に異常が起こると血球成分が漏れてしまい血尿や蛋白尿がおこります。 
これが糸球体性血尿で内科的な疾患(糸球体腎炎や全身性疾患に伴うものなど)がほとんどです。糸球体腎炎は細菌感染ではなく、全身の免疫反応による炎症が両側の腎臓におこりますので腎機能障害が問題となります。
尿路からの出血では、尿路の腫瘍、結石、炎症、血管病変、嚢胞、形態異常や外傷などの泌尿器科的疾患が原因で、手術が必要な場合があります。この血尿は尿路粘膜が結石で物理的に損傷されたり、腫瘍の血管が破れるために生じます。 
痛みや発熱などの症状のある場合は診断が容易ですが、無症状の場合には検査が必要です。通常は一側の腎臓に起こりますので腎機能が障害されることはありません。  

◆糸球体からの血尿の検査  
腎機能、血液検査(種々の抗体、補体など)糖尿病、痛風、高血圧などの検査糸球体性血尿であれば腎機能が正常で尿蛋白が一日1g以下であれば経過観察のみで十分ですが、1g以上では食事や運動制限が必要な場合があります。健診で見つかる成人の顕微鏡的血尿はほとんどが治療を必要としない糸球体性血尿ですので、治療が必要なものかどうかを診断することが重要です。

◆尿路粘膜からの血尿の検査 
血尿の程度に関わらず腎、膀胱、尿道、(男性では前立腺)の診察と検査が必要です。蛋白尿もある場合は腎機能や血液検査も必要です。 

◆以前から指摘されている場合  

一度検査を受けて異常がないと言われたひとは定期的な検尿を3カ月から6カ月毎に行い、1年から2年毎に精密検査をするのが望ましいと思われます。検査を受けて異常がない場合、どうして血尿が出るのでしょうか。 
良性反復性家族性血尿(腎臓の糸球体の基底膜が生まれつき薄い)、遊走腎(胃下垂と同じように腎臓が下がりやすく、静脈が圧迫される)、運動による腎臓や、膀胱粘膜の損傷など(マラソンや、水泳フットボールなど)があります。また運動時には血液が筋肉などに多く流れるようになり腎臓への血流が減少するために血管が収縮して血液を濾過する圧力が高まります。その結果毛細血管が損傷されて蛋白や血尿が出ることがあります。このような血尿の場合には早朝安静時の検尿や、家族の検尿が参考になります。
この他、炎症や腫瘍が小さくて検査で分からない場合や、腎臓の組織検査をしないと分からない軽度の糸球体腎炎がある場合があります。この場合には定期的な検査で病気があるかどうかを見ることになります。 

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血尿

◆腎腫瘍

腎臓にできるが腫瘍で症状が少なく血尿や腹部エコーなどで発見されることが多い。手術治療が基本です。(腎盂や尿管にできる腫瘍は膀胱腫瘍と同様に粘膜にできる腫瘍で尿管が閉塞すると水腎症となり腰痛を生じます。やはり血尿が主な症状となります。)

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腎腫瘍
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